2025/12/01 20:02

◎日銀の植田総裁、今月利上げ判断 不確実性低下、賃金見極め

 日銀の植田和男総裁は1日、名古屋市で講演し、18、19日に開く次回の金融政策決定会合で「利上げの是非について適切に判断したい」と述べた。トランプ米政権の関税政策を巡る不確実性が低下したことなどを理由に挙げ、政策金利の引き上げに向けた環境が整いつつあるとの認識を示した。判断の鍵を握る企業の賃上げ動向を収集し、最適な時期を見極める。
 日銀は1月の会合で政策金利を0・25%程度から0・5%程度に引き上げた。その後は米関税政策の不確実性の高さを踏まえて維持してきたが、消費者物価は高い水準が続く。植田氏は講演後の記者会見で、後手に回れば米国や欧州が経験したような高インフレに陥る恐れがあるとし「混乱を起こしてしまう」と警戒感を示した。
 利上げについては「(景気の)ブレーキを踏むというよりは、アクセルの踏み方の調整だ」と表現し、実施したとしても「まだ緩和的な状態だ」と強調した。
 植田氏は会見で「大事なポイントは賃金の動向だ。そこに関する情報を集めて判断する」とも話した。

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