2025/07/24 20:54

◎軍事衝突、背景に元首相間の対立 国境巡り「制御不能」懸念

 【バンコク共同】タイとカンボジアの国境地帯で起きた軍事衝突で民間人多数が死傷した。背景には両国間で長年続く領有権争いに加え、カンボジアのフン・セン前首相とタイのタクシン元首相の対立が指摘される。タイ治安筋は24日、国境を巡る争いが2人の大物政治家の思惑を超えて「制御不能の交戦状態」に至る恐れも排除できないと深刻な懸念を示した。
 政治基盤が揺らぐタクシン派主導の連立政権にとって、カンボジアに融和的な姿勢は打ち出しにくい状況だ。両国には多数の日本企業が進出しており、影響が深刻化する恐れもある。
 従来は親密だったフン・セン、タクシン両氏の関係について、タイ政府元高官は「タイ湾でのガス田共同開発などの巨大利権」などを巡りこじれたと指摘する。今回フン・セン氏は緊張をあおるような発言を続けてきた。元高官は「開発を約束通りに進めないタクシン氏を脅す狙い」がフン・セン氏にあると明かした。
 またタイ側では、フン・セン氏が国境問題をカンボジア国内での支持固めに利用しているとの見方も強い。

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