2025/12/12 11:11
◎尼崎脱線、保存施設が完成 遺族ら案内、一般非公開
乗客106人と運転士が死亡した尼崎JR脱線事故の車両を保存する施設が大阪府吹田市に完成し、JR西日本は12日、遺族・負傷者のうち希望者の案内を始めた。遺族の間に「興味本位で見られたくない」といった慎重意見があることを踏まえ、一般には非公開とする。
2005年4月の事故では7両編成の電車が脱線し、前方の車両が線路脇のマンションに衝突して大破した。JR西によると、損傷が激しい1〜4両目は部品ごとに配置し、5〜7両目は連結した状態で展示している。
施設は23年2月に着工し、1階と地下1階の2フロア計約4千平方メートルに乗客の遺留品や手記のほか、事故の痕跡が残る電柱や枕木、レールを保存する。
心理的な負担を和らげるため、事前に展示の概要を説明したり、建物内の照明を明るくしたりする配慮がなされている。
社内で事故の悲惨さを継承するための研修に使用するほか、他の運輸事業者の安全担当者や、当時救護に当たった警察・消防の関係者らを内部に案内する計画だ。
JR西は「責任を持って大切に保存していく」としている。
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