2025/11/08 22:56

◎子を道連れ心中、居場所なく孤立 20年で652人犠牲、虐待該当

 保護者が子どもを道連れにして自殺を図る無理心中。国は児童虐待と位置付け、2004年からの約20年で計652人が犠牲になった。原因は育児不安や経済的困窮など。かつてわが子に手をかけようとした橋口亜希子さんは「居場所を失い孤立していた。社会が追い詰めている部分もあると気付いてほしい」と訴える。
 抱っこじゃないと寝ない、離乳食を食べない。保育士から「ちゃんと叱ってください」といさめられた。偏食だったため「みそ汁作れる?」と嫌みも言われた。小学校の授業中に教室を飛び出すなどトラブルが続発。周囲からは「母親の能力がない」との言葉も。夫は協力的だったが、次第に追い込まれた。
 01年。当時6歳の息子と山に車で向かい、助手席に座った息子の首に手をかけ、一気に力を込める。息子の口から「ごめんね」。われに返り、手を離した。
 橋口さんはその後、小学校教員からADHDの冊子を渡された。「一緒に考えませんか」。救われた気がした。
 発達障害の啓発活動を続ける橋口さんは「誰もが支援を受けやすい仕組みづくりが重要」と訴えた。

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