2025/08/20 17:00
◎科学研究不正に“組織”が関与 粗悪論文を量産、審査に穴
科学研究不正は個人が手を染める例外的な行為だと思われがちだが、実は粗悪な論文を学術誌に掲載させる審査担当者のネットワークや、論文を量産する業者といった組織的な関与もあるとの研究を、米ノースウエスタン大などが20日までに、米科学アカデミー紀要に発表した。情報会社や出版社が運営する学術データベースなどを解析し、明らかにした。
科学論文の数が15年ごとに倍になるペースで増えるのに対し、業者の手によると疑われる論文は1年半で倍増しているという。チームは「対策は急を要する」と指摘。不正の発見や検証を現状のように研究者個人の活動に頼るのではなく、体系的な仕組みを構築する必要があると提言した。
学術誌に投稿された論文は、外部の研究者が掲載の可否を検討する。審査担当者を公開している科学誌「プロスワン」のデータを分析すると、粗悪な論文を頻繁に受け持つなどの疑わしい担当者45人が浮上。約1万8千人の中のごく一部だが、信頼性に問題があるなどとして掲載取り消しになった論文の30%を扱っていた。
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