2025/07/18 21:53
◎福井中3殺害、前川さん再審無罪 誘導疑い・証拠隠し認定
1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件の裁判をやり直す再審公判で、名古屋高裁金沢支部は18日、殺人罪に問われ、懲役7年が確定し服役した前川彰司さん(60)を無罪とする判決を言い渡した。一審無罪だったが、二審で逆転有罪となっていた。再審判決は、警察が供述を誘導した疑いや検察による証拠隠しを認定。一審の無罪判決に事実誤認はないとし、検察側の控訴を棄却した。増田啓祐裁判長は判決言い渡し後の付言で前川さんに謝罪した。
検察の上告期限は8月1日。上告には判例違反などの理由が必要で、断念の公算が大きくなっている。前川さんは閉廷後、検察に「上告は断念してほしい」と求めた。
自白や犯人を示す指紋など直接的な証拠はなく「事件後、服に血が付いているのを見た」などの知人らの証言で有罪となった。増田裁判長は判決理由で「捜査に行き詰まっていた警察が知人らに誘導などの不当な働きかけをし、証言を形成した合理的疑いが払拭できない」と述べ、信用性を否定した。
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