2025/05/09 11:16
◎消費減税見送り、政府・自民調整 社会保障の代替財源確保困難
政府、自民党は、物価高やトランプ米政権の高関税措置を受けた追加経済対策を巡り、消費税減税を見送る方向で調整に入った。複数の政権幹部が9日明らかにした。夏の参院選公約を見据え、自民、公明両党内で、飲食料品などに適用される消費税の軽減税率引き下げを求める意見が出ているが、社会保障の代替財源を確保するのが困難と判断した。
林芳正官房長官は記者会見で「社会保障費が大きく増加する中、消費税は全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられている。政府として税率引き下げは適当ではないと考えている」と語った。
石破茂首相は8日夜、自民の森山裕幹事長と東京都内で会食した。関係者によると、財政運営に支障を来す恐れがあるため、消費税減税に踏み切るのは難しいとの認識を共有した。
自民は近く党税制調査会で消費税に関する勉強会を開く。森山氏ら党執行部は、社会保障の安定財源として消費税の重要性を確認し、積極財政派や参院側から出ている減税論を抑えたい考えだ。
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