2025/05/09 03:01

◎酵素変化させ臭い成分合成 花へ昆虫誘い受粉、科博

 臭いにおいで昆虫をおびき寄せて花粉を運ばせるカンアオイの花は、多くの動植物が持つ酵素の一部を変化させて、臭い成分を合成できる酵素を作っていたとの研究成果を、国立科学博物館などのチームが8日付の米科学誌サイエンスに発表した。臭い成分を出すヒサカキなどの花も、同じ仕組みを独自に獲得していた。
 奥山雄大研究主幹(進化生物学)は「キノコや腐った果実のようなにおいを出す植物も調べ、特殊な香りを出す仕組みを明らかにしたい」としている。
 カンアオイは本州や四国などの森林に生え、約50種類が知られている。一部は腐った肉のようなにおいを出すが、どのように臭い成分を作っているか不明だった。チームは、カンアオイ26種の遺伝子の働きなどを調べ、臭いにおいのカンアオイで強く働く2種類の酵素を特定。うち「SBP」という酵素が臭い成分を合成していることを確認した。

前の記事 次の記事

この記事を知人に転送

日本参加の月基地廃止提案 NASA予算、大幅減
【独自】「りゅうぐう」試料を国際基準に JAXA、夏にも新組織設置
黒潮「大蛇行」終息の兆候 気象庁、17年8月から過去最長

>>科学・環境・医療・健康ニュースのアクセスランキング

このカテゴリの一覧
TOPへ戻る