2025/05/07 19:47
◎研究者ら西田氏発言の問題点指摘 「沖縄解放」の展示否定
自民党の西田昌司参院議員は、ひめゆりの塔の展示に関する「歴史の書き換え」があったと主張した。生存者が伝えてきた壮絶な戦場体験などを基に、沖縄戦の記憶継承に当たっている研究者たちは「また認識がゆがめられている」と批判の声を上げている。
西田氏は3日、展示について「アメリカが入ってきて、沖縄が解放されたと。そういう文脈で書いているのではないか」と述べた。資料館の普天間朝佳館長は真っ向から否定し「現在にも過去にもこうした説明はしていない」と強調する。
戦後、沖縄は米軍統治下に置かれ「銃剣とブルドーザー」により強制的に土地を奪われた。1972年に日本に復帰したが、現在も在日米軍専用施設の約7割が集中し、航空機の騒音被害は著しい。米軍人らによる犯罪も後を絶たない。
同館の古賀徳子学芸員は、西田氏が示した「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆりの隊が死ぬことになった」との見方を否定。「戦前からの皇民化教育により、生徒たちは積極的に戦場に向かうようになっていた」と指摘する。
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