2025/05/07 19:08
◎ひきこもり支援、厚労省が新指針 多様な悩みに寄り添い「自律」へ
ひきこもりの人や家族の支援を強化するため厚生労働省が自治体向けの指針を新たに策定した。従来は就労や社会参加など「自立」を支援のゴールと捉える傾向にあったのに対し、当事者本人が自身を肯定して主体的に意思決定できることを「自律」と位置付け、「目指す姿」とした。支援の対象者を従来より広く捉えたのも特徴だ。ポイントや事例を紹介し、多様化する悩みに寄り添う伴走型の支援につなげる。
従来の指針は厚労省研究班が2010年に策定。ひきこもりの期間を「6カ月以上」とし、精神疾患や障害が背景にあるとして医療的な支援に結び付ける内容だった。
新指針は「何らかの生きづらさを抱え、困難を感じている状態」や「他者との交流が限定的な状態」にある人と、その家族を支援の対象とした。ひきこもりの期間は問わない。従来の指針との併用を想定している。
やりとりの30事例を掲載。中学生の頃に不登校になった20代女性を相談員が訪問し、趣味などの世間話を重ねるうちに自室から出られるようになった例などを示した。
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