2025/05/07 18:35

◎次世代地熱発電、実用化へ本腰 政府、地方に拡大へ官民連携

 政府は次世代技術を活用した地熱発電の実用化に本腰を入れる。エネルギーやゼネコンの大手など70社を超える事業者と官民協議会を立ち上げ、2030年代の実用化に向けた工程表を年内に示す。政府が有望技術の研究開発を支援することで、民間投資を呼び込む狙い。世界3位とされる日本の豊富な地熱資源量を生かし、地方での開発拡大も期待される。
 地熱発電の次世代技術は候補が複数ある。従来より深い地下3〜6キロのマグマ付近から高温高圧の水をくみ上げる「超臨界地熱」は、発電量が大きい。網目状にパイプを張り巡らせ、水を流し込み蒸気を発生させる「クローズドループ」は、適した場所が多い。いずれも有望視されるが、国内で実用化した例はない。
 地熱発電は脱炭素にも資する。政府は2月に閣議決定したエネルギー基本計画で「抜本的な地熱発電の導入拡大を実現する」と掲げた。発電電力量に占める地熱の割合を22年度の0・3%から、40年度は1〜2%程度に増やすとした。
 実用化には発電コストの高さが最大の壁となる。

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