2025/01/08 17:54

◎金正恩氏、異例の映画指導 朝鮮戦争題材、反省に焦点

 【北京共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が台本執筆や演技指導を手がけた新作のプロパガンダ映画「72時間」が8日までに、朝鮮中央テレビで放映された。北朝鮮が朝鮮戦争勃発3日目にソウルを一時占領した功績を題材とした。武勇伝だけでなく軍指揮官らの反省点に焦点を当てた異例の内容となっている。
 映画は前後編で計約4時間。昨年、北朝鮮内の映画館で上映が始まったとされ、テレビでは今月2、3両日に初公開された。朝鮮戦争が米韓側の軍事挑発で始まったとするなど北朝鮮側の歴史観に基づき描かれている。
 神格化されてきた故金日成主席(戦争当時は首相)を俳優が演じたほか、恋い慕う若い男女がスキンシップをする描写や、女性のシャワーシーンが盛り込まれている点も異色だ。
 ソウル占領後、北朝鮮軍の南進が停滞したのは北朝鮮を支持する韓国民衆の蜂起を期待し静観したためだとの見方があるが、詳しい理由は定かでない。
 金正恩氏は8日に41歳の誕生日を迎えたとされる。最高指導者として年齢を重ねながら、内部の統率に映画を用いるなど試行錯誤を続けている。

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